2011年3月8日火曜日

花屋さんになる旅

花が好きな人であれば
一度はあこがれたことのある職業「花屋さん」
先日「花屋さんになる旅」をプロデュースすべく
花屋さんを一日体験してきました。

訪問先は西荻窪にある「El Sur」(エルスール)という花屋さん。
店内に入ると日本に居ることを忘れそうになる雰囲気。
ジブリの世界から出てきたようなお店です。













それもそのはず、エルスールでは
レジ台から窓枠、扉に至るまで
フランスから仕入れたアンティーク品が使われており
オーナーである渡辺さんの一つ一つのこだわりによって
お店の雰囲気が作られています。

お花も、普通のお花屋さんにあるような原色のお花はなく、
白を貴重とした上品な花や
渡辺さんの感覚にあった、淡い色のお花が取り揃えられています。













上品でゆるやかな雰囲気を持ちつつも
お花を通じて自分のこだわりを表現する
アーティスティックな渡辺さんに魅了されてしまい、
今回、旅のホストをお願いしました。

仕事旅行は下記のようなスケジュールで進みました。

9:40 ◇お店集合
・自己紹介/体験の流れの確認

9:50 ◇開店準備
・お店の外に植物を配置します。

10:00 ◇お花の配達
・ご注文を頂いたお客様の元にアレンジメント配達のお手伝い。

10:30 ◇花出し準備
・市場で仕入れたお花がお店に到着
・水あげ/湯あげ/焼きあげをしてお花を元気にします。
・とげのある植物は一つ一つとげ取りを行います。

12:30 ◇ランチミーティング
・渡辺さんやスタッフの方々とのフリートーク

14:00 ◇花出し
・店内への花出しをお手伝いします。

15:00 ◇アレンジメントの作成見学
・注文を受けたアレンジメントの作り方を見学します。
・お花の梱包作業をお手伝いします。

18:00 ◇ミニブーケ作り
・自分のお友達用に500円のミニブーケを作ります。


◇花出し準備

(月)(水)(金)は切花の仕入れ。
(火)(木)(土)は鉢物の仕入れ。
エルスールが仕入れる植物は貴重な花、めずらしい花が多いので
市場には5時前に行って、仕入れに備えます。

朝に仕入れたお花がお店に届いても、
それらを直ぐに店頭に並べる事は出来ません。

その前に、お花を元気にするため
「茎の根元を切って、熱湯に10秒間根元を浸す(湯上げ)」と言う行為を
一つ一つのお花に行っていきます。
品種によっては、茎の根元を焼くお花もあります!













「茎の根元を切ったらすぐに水につける」
「新聞紙で巻いてお花を湯気から保護する」
「ライラックのように、枝のなかに『ワタ』がある場合ははさみでワタを取り除く」

「茎を焼いちゃうんですか~?」
初めのづくしに戸惑いつつも、渡辺さんの指示を受けながら
見よう見まねで湯あげ・焼きあげを手伝います。













お店によって方法は色々あるようですが
市場で仕入れたお花が店頭に並ぶまで
様々な手が加わっている事を体験させて頂きました。

◇花出し

花が元気になってきたら、いよいよ店頭に花を出していきます。

ディスプレイにもひとつひとつこだわりを持ち
主役の花に脇役の花。
色や形やバランスを考え、それぞれの花が
一番素敵に見える位置にディスプレイしていきます。













「花瓶の一つ一つのサイズに理由があるんだ!」
「みるみるうちに店内の雰囲気が変わっていく~!」

お手伝いしながらも、驚きの連続でした。













ちなみに・・・
お花が弱ってしまうので店内に暖房を付けることは出来ません。
今回訪れるまで気付きませんでしたが・・・大変なお仕事ですね。

◇アレンジメントの作成見学

今日は「茶道」の先生から、おくやみ用のアレンジメントの注文があり
その作成を見学させて頂きました。

「おくやみだからと言って無暗にゆりは使わない」
「茶道の先生の注文なので《茶花》をアクセントにアレンジしてみる」
「いつも緊張感を持ちながら、花に接している」



お客様との会話の中で、
エルスールにアレンジを注文されるお客様は 
「エルスールらしさ」を求めて注文されている事が分かりました。
「こだわりの花」や「他の花屋さんにはないセンス」
20年掛けて培ってきたアレンジメントの技術と想像力。
「エルスールらしさ」を表現することに対して
真剣に向かい合う、渡辺さんの表情がとても印象的でした。

「映画」や「音楽」や「本」色々なことに興味を持つ。
お花以外の知識も学習し感性を磨き、それをお花作りに生かす。
それがエルスールらしさを作る一旦になっているのかもしれません。


◇ミニブーケ作り

友達用にミニブーケを作りました。
「アレンジメントよりブーケ作りの方が難しいこと」
「素敵に見えるコツ」
等をを教わりながらのミニブーケを作ったのですが・・・





















 
「教えてもらったのに、全然出来ないです~!」

スタッフの方々に手伝って頂き
なんとか形にして頂きました(笑)













お手伝いをしながら
スタッフの方々ともお話する機会がありました。

「お客様のイメージを汲み取り、それ以上の花束を作って喜ばれることが魅力です」
「主役の花と/脇役の花を上手につかうと
1+1=2以上の魅力を出すことが出来るんですよ~」
「素敵な空間に身を置くことで元気を貰うことが出来ます!」

お話するなかで、お花好きなことがひしひし伝わってきました。
楽しい事ばかりじゃないけど、好きなことを仕事にしていくって素敵ですね。













私自身、「お花の知識は全くない!」
その上「雪が降り寒い!」という悪コンディションの中
不安だらけの仕事体験でしたが
新鮮な驚きと気付きに満ちた素敵な体験をすることが出来ました。

エルスールの皆さん。
本当にありがとうございました。

「お花屋さんを体験する旅」は4月以降に商品化予定です。
ご興味の方がいらっしゃいましたら
「仕事旅行社」にご連絡頂けたら幸いです。

2011年3月3日木曜日

ベンチャー企業家を体験する旅

去年のことになりますが
仕事旅行社のプログラムで
「ベンチャー企業家を体験する旅」を実施しました。

訪問先は「ソウ・エクスペリエンス株式会社」
カタログギフトで「体験」を販売する「体験ギフト」
というサービスを展開されています。

若くして会社を経営されている
社長の西村さんと、取締役の山本さんの1日を体験する旅です。














ベンチャー企業家といっても・・・
「上場を目指すぞ~!」
「ゴールドマンに勝つぞ~!」
と言った感じではなく
どことなく「ゆるい」雰囲気を持たれているお二人。

ただし「ゆるい」だけの人達ではありません。

「楽しいことのためには、前提的に辛い経験が必要だ」
という考え方に疑問を持たれていて
【まず自分の興味事を「楽しん」でそれをひと工夫して
等身大の仕事にしていく過程を大切にしたい】
という思いを持って体現している、とても魅力的な人であるため
今回、旅のホストをお願いしました。

旅の対象者は ・・・
「やりたい事がぼんやりあり、いつかは起業してみたいなぁと思っている方」

参加者はツイッターで募集を掛けました。
「好きな事を仕事にしたいなぁ・・・けど難しいかもなぁ・・・」
なんて「もやもや」している人は居ませんか?

ソウエクスペリエンス様の仕事を体験しながら
若くして起業した先輩のお話&アドバイスを頂いちゃいましょう!
という呼びかけを行った結果・・・









 


バックグランドが別々の男女3名の方々に集まって頂きました。
中には広島から夜行バスに乗って来られた方も!

仕事旅行は下記のようなスケジュールで進みます。

10:30 ◇オリエンテーション
・自己紹介/体験の流れの説明
 

11:00 ◇ソウの事業についてのレクチャー
・企業までの道のり
・支援者のこと、資金のこと、メンバーのこと


12:00 ◇ランチミーティング
・フリートーク
 

13:30 ◇パートナー企業家への訪問同行
・プライベートローブ/佐藤かおり社長

 

15:30 ◇企画にチャレンジ
・事前に「しごとの企画書」を作成してもらい、
ソウのお二人とのミーティングでブラッシュアップ!
 

16:00 ◇反省会
・体験のまとめ/感想


◇ソウの事業についてのレクチャー

「体験ギフトって知ってますか?」の話に始まり
「西村さんが熱い手紙を書いて山本さんを誘った」話
「デザイナーを役員にするとイケテルと思ってた」話
「二人で事業プランを作ったのは寒い夜だった」話
そんな、起業するまでの楽しいよもやま話が盛りだくさん。













起業当初の「事業企画書」を見せてもらうと・・・
ホストの二人も赤面しながら
「こんなに企画書ださかったっけ??」
「23歳にしては良く書けてんじゃん!この企画書!」
「2005年にはIPOすることになってるよ!」
「けど、企画書をまともに読んでくれたのは一人も居なかったよね~」
なんてワイワイガヤガヤ。
「働くこと」「学ぶこと」に対しても「遊び心」を忘れない。
そんな楽しい雰囲気で働かれている事を感じ取ることが出来ました。

◇パートナー企業家への訪問同行


昼食の後は、ソウエクスペリエンスの提携先で
こちらも若くして起業されている
プライベートローブ株式会社の佐藤かおり社長を訪問。
プライベートローブではオーダーメイドの洋服を製造・販売されています。
おばあちゃんの家のようなほっこりした事務所で心が和みました。













こちらでの話も・・・
「27歳で起業しようと思った」話から始まり
「オーダーメイドの仕事をしたいと思ってたけどアパレルのアの字も知らなかった」話
「洋服を作ることがゴールではなく、お客様が喜んでくれることがゴールとの」話
「ネットで検索した結果、カーテンと悩み最終的にスーツした」話など・・・
起業に対する固定観念を覆す楽しい話が満載。

最終的には、佐藤さんが興味を持たれている
DNAと分子生物学まで熱弁して頂きました(笑)

◇企画にチャレンジ

ソウのオフィスに戻ってからは
参加者3人の方々が事前に考えて頂いていた
「自分がやりたいこと」を話て頂きました。

「お金がなくても食事が出来る、コミュニティーとしての喫茶店」を作りたい。
「楽しいガラをデザインする会社」を作りたい。
「思考が一緒の人達が集うコミュニティ」を作りたい。
やりたいことは三者三様です。













そんなやりたいことを
「遊び心」を交えながら
ソウ独自の視点で企画をブラッシュアップ!
「視点を変えたこんなサービスがあるよ~」
「こんな変わった人がいるよ」
ポジティブな意見の応酬に
最初は「発表」と聞いて顔を強張らせていた参加者の方々も
次第に顔がほころんで行きます。

・・・そういう風に始めれば以外に簡単かも。
なんて語らいをしているうちに
「ベンチャー起業家を体験する旅」は終了。

参加者の方々からは
「実質的な業務体験という感じではなかったけど、素敵な体験をさせて頂いた」
「日頃出会えないであろう人と出会えた」
「パワーがもらえるような体験をたくさんいただきました」
なんてポジティブな意見を頂けました。

魅力的に働く方々の日常に触れる経験
あこがれの仕事体験を通じて
働き方を見つめ直すきっかけを提供することが仕事旅行社の目的です。

こんな体験を一人でも多くの方々に提供したいと思った
今日この頃でした。